かずのすけが解説する美容液の成分

かずのすけ

【かずのすけに学ぶ】乾燥を防ぐ美容液・乳液・クリームの成分

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肌の乾燥を防ぐために最も重要なのは、実際に有効な成分を含む化粧品を使うこと。肌を刺激して乾燥や肌荒れを引き起こす成分が含まれる化粧品を避けること、といえるでしょう。

ここでは美容液、乳液、クリームの成分を取り上げます。
一般的なスキンケアの流れは、

  1. クレンジング、洗顔
  2. 化粧水
  3. 美容液
  4. 乳液、クリームなど
  5. 化粧下地、ファンデーションなど

のようになるかと思いますが、ここで扱うのは3番目と4番目です。

ここでは、美容液・乳液・クリームに関して、美容化学者"かずのすけ"さんの「化学者が美肌コスメを選んだら…」を読んで学んだことをまとめてみたいと思います。(独自に調べたところもあるので、かずのすけさんの見解と一致しない部分もあります。ご了承ください。)

こちらを読んでいただければ、乾燥を防ぐために有効な、すぐに使える化粧品成分の知識を獲得していただけます。
そして、価格ばかり高くて中身のともなわない化粧品に惑わされることもなくなるでしょう。

化粧水と美容液の違いは何?【意外な落とし穴】

化粧水は使っているけれど美容液は使わないという人もいることでしょう。

反対に美容液は使っているけれど化粧水は使わないという人はほとんどいないはず。そして、多くの人はなんとなく化粧水よりも美容液の方が高級だと感じていると思います。

つまり、化粧水はスキンケアの必需品で、美容液は高価な有効成分を豊富に含むスペシャルケア用。こんなイメージではないでしょうか?

これを聞くと驚かれる人もいるかも知れませんが、実は、化粧水と美容液には明確な違いがないのです。ある化粧品を化粧水として販売しているA社というメーカーがあるとします。そしてこれとは別のメーカーであるB社が、全く同じ成分の化粧品を美容液として販売したとしても全く問題はありません。

もしB社に悪い社員さんがいて、「美容液の方が高級というイメージがあるな。しめた!同じ成分だけど高く売ってしまえ。うへへへ。。。」と、10倍の値段をつけて販売したとしてもどの法律にも違反しないのです。

実際には、こんな売り方をしていたらB社の評判をいずれは落ちていくので生き残れないでしょう。似たような成分だったとしても、高級な植物エキスを加えるとか、有名人を起用して魅力的なCMを流すなど、付加価値をつける努力はすると思います。

いずれにしても化粧水と美容液を明確に区別するルールはありません。このことを最初に頭に入れておいてください。

美容液、乳液、クリームに含まれる油溶性の有効成分

化粧水と美容液に明確な区別がないことにふれましたが、「一般的にはこんな感じで区別されることが多い」という傾向はあります。

それは、化粧水の成分がほとんど水なのに対して、美容液では油分を含んでいるということ。そして、化粧水に含まれる有効成分の多くが水溶性なのに対して、美容液には油溶性の有効成分が含まれているということ。この2点です。

さらに付け加えると、乳液、クリームになるとさらに油分の割合が高くなって一般的には、
美容液<乳液<クリーム
の順に油分が多くなります。

これで、なぜ化粧水と美容液、乳液、クリームなどを別々に使う必要があるのかにも納得ができますよね。つまり、化粧水だけでは水溶性の成分しか肌に与えることができないので、油溶性の成分を含む美容液、乳液、クリームなどを使う必要があるというわけです。例えば保湿成分として有名なものにセラミドがありますが、これは油溶性なので化粧水ではなく、美容液、乳液、クリームなどで補います。

乾燥対策で優先すべきはセラミド【重要】

保湿に有効な成分にはセラミド、ヒアルロン酸、コラーゲンなどいくつもありますが、その中からどれか一つを選ぶならセラミドがよいでしょう。

特に乾燥肌、敏感肌の人はスキンケアでセラミドを補うことで改善を期待できるかもしれません。実際に私たちの肌の乾燥を防ぐために、角層に含まれる脂質であるセラミドがとても重要な役割を持っていることが分かってきました。そして、肌のバリア機能が低下している乾燥肌、敏感肌の人の肌ではこのセラミドが不足しているということも。

ところでコラーゲン、エラスチン、ヒアルロン酸なども肌の中で水分を保つ重要な役割をになっています。ただし、これらは肌の表面にある表皮のさらに奥、真皮の中にある成分。肌に塗ることによって保湿機能を発揮しますが、実際に肌内部で果たしているのとは全く異なる働き方になります。化粧品の成分はほんの一部の例外を除き、真皮まで浸透することはないからです。

セラミドはというと、もともと角層という肌の最も外側で、水分を保持したり、バリア機能を維持したりといった役割を担う成分。真皮まで浸透しなくても本来の力を発揮することができるのです。

化粧品に含まれるセラミドをチェックするときは、

  • ヒト型セラミド
  • セラミド1(※数字は、2,3など別の数字でもOK)
  • セラミドNP

というように表記された成分が信頼できるセラミド。

一方、

  • 疑似セラミド
  • 糖セラミド

などの場合は、第三者機関による検証がないため信頼は一段落ちるかたちです。

高価ですが一番品質が良いのは、実際に人の肌や髪に含まれるセラミドに近い「ヒト型セラミド」です。

セラミドは水溶性ではなく油溶性なので化粧水ではなく美容液等で補うことができます。化粧水とは別に美容液を使うことのメリットのひとつといえるでしょう。

ビタミンC誘導体は化粧水から? それとも美容液?

ビタミンC誘導体には、

  • コラーゲンの生成を助ける
  • メラニン色素の生成を抑制する
  • 皮脂分泌のバランスをとる
  • 炎症を抑える

といった効果があり、美白化粧品、エイジングケア化粧品、ニキビ対策化粧品などで大活躍しています。もちろん肌トラブルを回避してコンディションを整えるので保湿にも大変有効です。

ところでこのビタミンC誘導体は、化粧水で補うべきでしょうか、それとも美容液?

もともとビタミンCは水溶性なので化粧水で補うところから始まりました。しかし現在は技術の進歩によって状況が変わってきています。

新型ビタミンC誘導体、APPS、アプレシエの登場

もともとは水溶性のビタミンCに油分を結合させて油溶性としたのが、「新型ビタミンC誘導体」「APPS」「アプレシエ」と呼ばれるタイプのビタミンC誘導体です。油溶性となったことで、化粧水ではなく、美容液、クリーム、ジェルタイプの化粧品に配合することができます。

注目すべきは機能が向上している点です。ビタミンC誘導体を含め、化粧品に含まれる有効成分のほとんどは真皮にまで到達することはありません。ビタミンC誘導体の場合は、「イオン導入」といって、微弱な電流で成分をイオン化することで真皮に送り込む方法がありましたが、通常のスキンケアでアプローチできるのは表皮までというのがいわば常識となっています。

ところがAPPS(アプレシエ)は真皮まで浸透して、スキンケアでは難しいとされていた(乾燥小ジワではない)シワの改善が期待できます。しかも肌への刺激も小さく、乾燥につながる心配もないと考えられています。

新たに登場したAPPS(アプレシエ)というビタミンC誘導体を肌に与えることができるのも、化粧水とは別に美容液を使うことのメリットといえますね。

肌の乾燥を防ぐ美容液、乳液、クリームの成分

保湿に役立つ成分については一度、化粧水の記事の中で取り上げているので、ここではそこで取り上げなかった成分をピックアップしてみましょう。

ミネラルオイル

石油から作られる重ための質感を持ったオイル。低刺激なので安心して使えます。

ワセリン

石油から作られた炭化水素油。肌の乾燥を防ぐ保湿成分として医療でも使われるほど。安価で低刺激なすぐれた成分です。

スクワラン

人間の肌や植物にも含まれる炭化水素油。肌に密着する性質を持ち、低刺激です。

パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na

ビタミンC誘導体の一種でAPPSとも呼ばれています。浸透に優れ美白、エイジングケア、ニキビケア用の化粧品にも配合されています。

アドニスパレスチナ花エキス

抗酸化力を持つアスタキサンチンを含む成分。アスタキサンチンはエビ、カニなどの甲殻類以外に植物にも含まれています。エビのアレルギーを持つ人でも使用できます。

ヘマトコッカスプルビアリス油

同じくアスタキサンチンを含む成分。ヘマトコッカス藻から抽出されています。

セチルPGヒドロキシエチルパルミタミド

角層のセラミドに似た働きを持つ成分。化粧品として補うことで水分を保持し、肌のバリア機能を高める働きをしてくれます。

ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)

セラミドと似た働きを持った疑似セラミドのひとつ。これまで長年使用されてきており安全性と実用性が実証されています。

まとめ

「スキンケアは化粧水だけで終わってはダメ」とよく言われます。

その理由は、化粧水だけでは「フタ」がされていないので水分が蒸発し、乾燥してしまうからだと教わりました。同じように教わった方も多いのではないでしょうか?

ところで最近、油分でフタはもう古いという考え方があるのを知りました。どうやら美容液、乳液、クリームに含まれる油分によって「フタ」がされることはないようです。

へー、なるほどと、少し感動しました。今まで信じていたことが間違っていたからです。また同時に、実際にフタはできないことを聞いたからといって、やることは変わらないかなとも思いました。化粧水だけでは乾燥してしまう事実に変わりはないからです。

実際の効果はフタのような働きによるものではないとしても、化粧水だけだと乾燥してしまうのでせすから仕方ありません。

ここでも見たように、例えば油溶性のセラミドが肌に浸透するということの方が、水分の蒸発を防ぐメカニズムの実態に近いのかも知れません。いずれにしても私たちにとって大切なのは、実際に保湿の瞬間に起きていることについての科学的な知識ではなく、こうしたらこうなる、という実用的な知識です。

その意味では、化粧水だけでスキンケアを終わらせずに、フタをする意識で次のステップに進むことは依然として実用的な知識といえるのではないでしょうか。

要するに、美容液、乳液、クリーム等は肌の乾燥を防ぐのに有益だということ。中でもどういった成分が特に有益かについては、ここで紹介した内容を参考にしていただければと思います。

 

 

◇ ◇ ◇

気になるシミやニキビ跡があるけど、美白ケアはどれを選んだら良いか分からないという人はいませんか?

そんな時こそ、成分に詳しいかずのすけさんの見解が参考になります。こちらの記事では、かずのすけさんが危険性を指摘している成分を取り上げ、肌に優しいアイテムを紹介しています。

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